♪春が来た♪
清交会会長 岩 澤 啓 子
子供の頃、『♪春が来た 春が来た どこに来た♪』と、歌いながら春を探したものでした。寒い冬から春への確かな移ろい。山は浅黄に変わり、木々が芽吹き、蕾みは膨らみ、虫達がうごめき始めます。その習性は、80歳近くなった今でも変わりません。『♪山に来た 里に来た 野にも来た♪』小さな声で歌いながら、庭をゆっくりと歩き回り、春を探します。
1月の末頃から、寝静まった頃に蛙の声が、聞こえてくるようになります。我々がよく知っている「ケロケロ」ではありません。恋を囁き合っているような、「ふ~ん、ふ~ん」。そのうちに、庭に置いてある水槽の中にオタマジャクシが姿を見せることでしょう。
先日、階段の隅に落ち葉が溜まっていたので、処理しようとしたら、蛙が飛び出してきました。蛙も驚いたかもしれませんが、予期せぬ蛙の出現に私は驚いて『もう二度と道掃除はやりません』と、家族に宣言をしました。すると家族は、「理由を付けて、掃除をしないことを認めさせようとしているのでは?」との返事が返ってきました。(ちょっと心を読まれてしまいました。)
やがて蛙が姿を見せなくなれば、落ち葉の中には「ミミズ」がいます。夏が近づくと「ミミズ」から「トカゲ」・・「蛇」・・山に住んでいる身としては、それら自然が織りなす光景を、楽しまなくてはいけないと思いました。